第50回 CDO RoundTable

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製造業のDX/AXと、AI時代の人とAIの関係を考える

一般社団法人CDO Club Japanは、2026年7月15日、第50回CDO RoundTableを開催しました。
CDO RoundTableは、会員CDOを対象としたクローズドな会合です。
今回は、帝人株式会社 グループ執行役員 CDOの舩生幸宏氏より、製造業におけるDX/AXの課題とアプローチ、帝人グループで進めるグローバルDX、さらにCDO室におけるAIエージェント活用についてご紹介いただきました。
後半では、UiPath株式会社より、RPAに加えて複数のAIやAIエージェントを連携させ、業務プロセスをE2Eで最適化する新たな技術アプローチについてインプットを受けました。
これらを踏まえ、グローバル企業におけるDX推進の論点と、AI時代に求められる人とAIの役割、業務プロセスの設計とガバナンスについて、参加CDOによる意見交換を行いました。

 

1.舩生幸宏氏による講演:製造業が取り組むべきDX/AXアプローチ

舩生氏からは、同氏のこれまでのソニー、横河電機などでの経験を踏まえ、製造業固有のDX課題と、帝人グループで進めているDX/AXの取り組みについて説明がありました。

 製造業では、事業、製品、工場、地域ごとに業務やシステムが個別最適化されやすく、現場に蓄積された知識や既存の業務プロセスが、変革を進めるうえでの複雑性につながります。

また、複数の事業と海外拠点を持つグローバル企業では、各国・各地域の事業環境や現場の実情を踏まえながら、AIが最適に機能する時代に向けて、データやセキュリティなど、グループ全体で共有すべき領域をどのように標準化・共通化し、企業としての競争力につなげていくかが重要となります。

 舩生氏からは、これまでの経験を踏まえ、基盤統合など早期に成果を生み出しやすい領域から着手し、その成果を、よりビジネスインパクトの大きい顧客接点へと段階的に拡張し、変革を企業への貢献・成果を連動させながら進める考え方について、現在、帝人で新たに取り組んでいる内容も含めて共有いただきました。

さらに、CDO室のDX関連業務を対象として、AIエージェントを活用した業務の再設計を進めている取り組みについても紹介されました。

 

2.参加CDOの討議:グローバルDX/AXの論点と、人とAIの関係の再定義の必要性

講演後の質疑含む討議では、グローバルDX/AXを推進する本社組織と、各国・各地域のDX・IT組織との関係が主要な論点となりました。

特に、各国・各地域のDX・IT人材をどのように配置・管理するか、ローカルで行われるIT・DX投資をどのように把握し統制するか、グローバルDX/AX投資の効果をどのようなKPIで評価するかについて意見が交わされました。

製造業では、国内の部門間だけでなく、国や地域をまたいだサイロ化も生じやすく、各拠点で個別に導入されたシステムやデータ、投資をどのように整理し、グループ全体として一元化していくかが共通の課題となっています。

参加CDOからも、自社における本社と各国拠点との関係や、グローバルでの標準化とローカル最適の両立について課題が共有され、舩生氏のアプローチをもとに議論を深めました。

また、CDO室から始めるAIエージェント活用を踏まえ、AIが担う業務と、人が判断・責任を担う領域をどのように整理するかについても議論が行われました。

AIによる業務効率化にとどまらず、AIを前提として業務や組織を見直し、人とAIの関係そのものを再定義していく必要性が確認されました。

 

3.UiPathのインプットを踏まえた、AI時代のプロセス設計とガバナンス

後半では、UiPath株式会社より、RPA、生成AI、AIエージェント、人による判断などを組み合わせ、業務プロセス全体をE2Eで最適化する技術アプローチについて紹介がありました。

これまでの業務自動化では、個別の作業や定型業務を対象とした部分的な効率化が中心でした。

一方、AIエージェントの活用が広がるなかでは、複数のAIや自動化技術を単独で導入するのではなく、業務の開始から完了までを俯瞰し、人、AI、RPA、既存システムを適切に連携させる必要があります。

参加者からは、個別の業務が効率化されても、前後の工程や部門間の連携を含めると、企業全体では必ずしも最適化されていない可能性があるとの意見が共有されました。

また、どの工程をAIに任せ、どこで人が確認・判断するのか、例外が発生した際に誰が対応するのか、プロセス全体の成果とリスクをどのように管理するのかといった、設計とガバナンスの重要性について議論が行われました。

AI時代のDX/AXにおいては、個別業務の自動化にとどまらず、人とAIを含むプロセス全体を俯瞰し、継続的に最適化・統制する視点が必要であるとの認識が共有されました。

 

 

 

 

CDO RoundTableは第50回へ

CDO Club Japanでは、企業変革を担う責任者が、業界や企業の枠を越えて課題意識を共有し、率直に議論する場としてCDO RoundTableを継続して開催してきました。

これまで、DXの推進体制、データ戦略、組織・人材、ガバナンス、生成AI、AIエージェントなど、その時々にCDOが向き合う重要テーマを取り上げています。

今回、第50回という節目を迎えました。CDO Club Japanは今後も、企業変革を担うリーダー同士が実践知と問題意識を共有し、次の行動や意思決定につなげるための場を提供してまいります。

 

参加者

当日は、金融、化学・素材、製造、エネルギー、建設、食品、医薬品、流通・小売、運輸、メディア、旅行・サービスなど、幅広い業界から企業変革を担うCDO、デジタル・DX責任者が参加しました。

講演内容を踏まえ、参加者からも各社におけるグローバルDXの推進体制や、本社と各国・各地域との関係、DX・IT投資のガバナンス、人とAIの役割分担などについて、それぞれの課題や取り組みが共有されました。

 

参加企業(五十音順)

旭化成株式会社、味の素株式会社、アルプスアルパイン株式会社、株式会社朝日新聞社、株式会社JTB、株式会社竹中工務店、株式会社ファミリーマート、株式会社ふくおかフィナンシャルグループ、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、花王株式会社、協和キリン株式会社、栗田工業株式会社、クラランス株式会社、CCIグループ、コスモエネルギーホールディングス株式会社、コンパスグループ・ジャパン株式会社、サンヨー食品株式会社、スミセイ情報システム株式会社、千代田化工建設株式会社、帝人株式会社、東鉄工業株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、日本郵船株式会社、野村不動産ホールディングス株式会社、マルホ株式会社、丸紅株式会社、三井化学株式会社、三菱UFJニコス株式会社、ロート製薬株式会社

 

CDO RoundTableとは

CDO RoundTableは、CDO Club Japanが開催する、CDOおよび企業のデジタル変革を担う責任者を対象としたクローズドな討議の場です。
企業や業界を越えて、経営、事業、組織、データ、AI、ガバナンスなど、企業変革に関する重要なテーマについて意見交換を行っています。

 

開催概要

開催日:2026年7月15日
名称:第50回 CDO RoundTable
対象:CDO Club Japan 会員CDO

 

 

 

 

 

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