CAIO / CDO Summit Tokyo 2026 Summer 開催レポート ― AI時代に、人と企業はどう変わるべきかを問う2日間 ―

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一般社団法人CDO Club Japanは、2026年6月3日(水)・4日(木)の2日間にわたり、「CAIO / CDO Summit Tokyo 2026 Summer」を開催しました。

今回のサミットでは、「The Great Human Transition in the Age of AI 〜AI時代に私たちはどう生きるか?〜」をテーマに、AIエージェントをはじめとするAI技術の進化が、企業経営、組織運営、人の役割、働き方、意思決定のあり方にどのような変化をもたらすのかを議論しました。

AIを単なる業務効率化やツール導入にとどめるのではなく、AIを前提に、競争優位、事業モデル、組織能力、人材、ガバナンスをどのように再設計するか。国内外の有識者、企業のCAIO/CDO、政策関係者、テクノロジー企業が登壇し、AI時代における企業変革の方向性を多角的に探りました。

開催概要

名称:CAIO / CDO Summit Tokyo 2026 Summer
日程:2026年6月3日(水):CAIO Summit Tokyo 2026 Summer
2026年6月4日(木):CDO Summit Tokyo 2026 Summer
主催:一般社団法人CDO Club Japan
メインテーマ:The Great Human Transition in the Age of AI
コンセプト:AI時代に私たちはどう生きるか?

開催形式:会場開催・オンライン配信

 

The Great Human Transition in the Age of AI

〜AI時代に私たちはどう生きるか?〜

AIエージェントをはじめとするAI技術の進化は、企業におけるデジタル変革の前提そのものを変えつつあります。
今後は、AIを導入するか否か、あるいはどのツールを採用するかという話ではなく、
AIを前提に、企業の競争優位、組織運営、人の役割、働く環境、さらには意思決定のあり方までを、如何に再設計するかが本質的な論点になりつつあります。

CDO Club Japanは、2026年は、DXが単なる技術導入や部分最適の改善を超え、人間・組織・企業の存在意義そのものを問い直す局面へ本格的に入る年になると捉えています。
AI時代において企業は何を価値として残し、何を変え、どのような未来を構想すべきか。
CAIO / CDO Summit Tokyo 2026 Summerは、CAIO、CDOをはじめとする経営・デジタル変革の責任者が、その論点を正面から議論する場として開催しました。

 

Day1|CAIO Summit Tokyo 2026 Summer
AXの再定義とCAIOが組織に起こす化学変化とは?

6月3日に開催したDay1「CAIO Summit Tokyo 2026 Summer」では、AI時代における企業変革、CAIO/CDOの役割、人間観の変化、全社AI実装の課題をテーマに、特別対談・インタビュー、CAIOセッションを実施しました。

 

オープニング:CDO Club Japan代表理事 加茂純

AI時代に、企業と人間の役割をどう再定義するか

Day1の冒頭では、CDO Club Japan代表理事の加茂純より、今回のテーマである「The Great Human Transition in the Age of AI」に込めた問題意識について説明しました。

「AI時代にどう生きるか」をテーマに、AIを単なるツールではなく経営変革(AX)と捉え、企業知能と人材を再設計するCAIO(チーフAIオフィサー)の重要性を強調しました。

また資本主義の限界や地政学的リスクに対し、日本独自の「共生思想」が適切なAI活用に貢献できる可能性や、人間が創造性や意思決定に専念できる環境作りと倫理・信頼の設計が不可欠である点を強調し、CAIOとCDOの連携が日本企業の鍵となる点を述べました。

 

特別対談:David Mathison氏 × CDO Club Japan代表理事 加茂純

米国で進むCAIO設置動向と、AI時代のリーダーシップ

CDO Club / CDO Summit創設者であるDavid Mathison氏との特別対談では、米国におけるCAIO設置の動向、CDOとCAIOの役割変化、AI時代に求められる変革リーダーの条件について議論しました。

CAIOが単なる技術責任者ではなく、経営、データ、AI、組織変革を横断的にリードする存在として重要性を増していることが示されました。

 

特別インタビュー:Rex Briggs氏

CAIOとして描く、AI時代のマーケティング・経営・人間観

Claritas社のCAIOであり、マーケティングROI、データサイエンス領域の第一人者であるRex Briggs氏への特別インタビューでは、AIが企業の意思決定、顧客理解、マーケティング、CXをどのように変えていくのかについて議論しました。

AIを組織全体の意思決定を支える「経営の知能」として実装していく重要性や、AI時代における人間の役割について示唆が共有されました。

 

AIトレンドアップデート:CDO Club Japan 理事・事務総長 水上晃

AIエージェント時代におけるDX・AXの論点

CDO Club Japan 理事・事務総長の水上晃より、AIエージェントをはじめとするAI技術の進化と、企業におけるDX・AXの論点について解説を行いました。
また、前段のDavid氏並びにRex氏の内容を総括し、AI時代におけるCDO/CAIOの役割、日本企業におけるAI推進体制、AIを企業変革につなげるための視点を整理しました。

 

特別対談:出口康夫教授 × CDO Club Japan代表理事 加茂純

AI親友論が導く、人間観・組織観の再定義

京都大学大学院文学研究科教授であり、『AI親友論』の著者である出口康夫教授との特別対談では、AI時代における人間の知性、人とAIの関係性、そして「私たちはどう生きるか」という本サミットの中心テーマについて加茂代表理事との対談を実施しました。出口教授が提唱する「Self-as-We」の考え方を踏まえ、AIを単なる道具ではなく、共に未来を創るパートナーとして捉え直す視点とその視点の日本における世界との違いや優位性について議論の中から方向性が示されました。

 

特別インタビュー:榊原彰氏

日本企業における全社AI実装と、CAIOの実践

パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員 グループCAIOの榊原彰氏と代表理事加茂純との特別対談では、日本を代表する製造業における全社AI実装、グループ全体最適、領域横断の推進について議論しました。

当日は榊原氏が進める同社のでAI変革における考え方をお聞きするとともに、AI変革においてはAIは単なる技術導入として扱うのではなく、経営課題や現場課題を解決するための変革手段として位置づけ、全社の組織能力へと転換していくことの重要性が示されました。

 

CAIOセッション:AXの再定義とCAIOが組織に起こす化学変化とは?

Day1の最後のパートでは、CAIO/CDOによるビジネスセッションを当日の議論の総括として実施しました。
本セッションでは、冒頭では参加したCAIOならびにCDOからそれぞれAIに対してどのような取り組みを実施しているのかを説明がありました。
その上で、生成AIやAIエージェントの進化を踏まえ、AIを技術導入や一部門の業務効率化にとどめず、企業変革の推進力へと転換するために何が必要かをテーマについてそれぞれの現時点の問題意識から今後取り組むべき論点を議論しました。
主な討議ポイントとして、2026年におけるAX(AI Transformation)の定義、AIを前提とした組織・人材・ガバナンスの再設計、AI活用を経営成果につなげるための条件などが取り上げられました。

 

Day2|CDO Summit Tokyo 2026 Summer
AXとDXのその先にある人間・組織・仕事の再設計とは?

6月4日に開催したDay2「CDO Summit Tokyo 2026 Summer」では、AI時代における企業変革、DXの再定義、組織・人材・意思決定のあり方をテーマに、政策、経営、企業実践の視点から議論を行いました。

 

オープニング:CDO Club Japan代表理事 加茂純

AI前提の時代に、CDOは企業変革をどうリードするのか

Day2の冒頭では、CDO Club Japan代表理事の加茂純より、AI時代におけるDXの再定義と、CDO/CDXOに求められる役割についてプレゼンテーションを行いました。

同氏は、サミット2日目は、AIを前提とした人間、組織、仕事の「再設計」がテーマである点について冒頭のべた後に、CAIOが描くAI時代の未来の設計図を、CDOが現場で実現するという役割分担と連携の重要性が強調されました。
またそのような変革の実現には既存のDX基盤をAX(AI変革)へ繋げることの重要性に加えて、日本は米国に追随するだけでなく、独自の文明観で新たな価値を世界に提供することの必要性について強調しました。

 

特別対談:平井卓也衆議院議員 × CDO Club Japan代表理事 加茂純

AI駆動型国家への構造転換と、企業に求められる変革

Day2では、初代デジタル大臣であり、自由民主党 デジタル社会推進本部 本部長であり、衆議院議員の平井卓也氏を迎え、CDO Club Japan代表理事 加茂純との特別対談を実施しました。

本対談では、「デジタル・ニッポン2026」や「AIホワイトペーパー2.0」などの政策的視点を踏まえながら、AIとともに生きる社会、AI駆動型国家への構造転換、デジタルインフラの強化、そして日本企業がAIを活用して競争力を高めるための方向性について意見が交わされました。
またDay1で議論された「AI親友論」に対して、「AIフレンドリーな国家を目指す」平井議員の視点やその思想の背景を掘り下げることで、欧米諸国と違う立場での日本のAI戦略のあり方について議論が行われました。

 

CDO Roundtable:AI前提の時代に、CDOは企業変革をどうリードするのか

Day2では、CDO Club Japanに参画するCDOによるラウンドテーブルを実施しました。
本ラウンドテーブルでは、AIエージェントをはじめとするAI技術の進化が、働き方、組織運営、人材、意思決定、企業価値に与える影響を踏まえ、AI時代における人と企業のあり方について議論しました。

主な討議テーマは以下の3点を中心に当日は議論が進められました。

セッション1:変わる働き方 — 解放と拡張のリアル
「PC作業の奴隷」からの卒業と「デジタル職人」の誕生

生成AIやAIエージェントの進化により、ホワイトカラーの知識労働は大きく再編されつつあります。本セッションでは、定型的なPC作業から人が解放される一方で、技能、現場力、判断力、創造性といった人間ならではの価値がどのように再浮上するのかを議論しました。

また、AIによってホワイトカラーの人の仕事が置き換えられるという視点にとどまらず、従来日本の強みとされる「ものづくり現場」や「建設」「エッセンシャルワーカー」の領域でも、AIを使いこなし、現場知や専門性を拡張する「デジタル職人」としての新たな人材像についても意見が交わされました。

セッション2:Orchestration — AI×データ×環境をデザインするAXとDXのその先
Human-Centric Orchestration の実践

AI時代の企業変革では、AIやデータを導入するだけでなく、人を中心に、働く環境、業務プロセス、組織運営をどのように再設計するかが重要になります。またAIを有効に機能させるためには「企業固有のデータ」や「暗黙知」になっているデータの資産化が重要になります。

当日は、AI、データ、働く環境を統合的にデザインする「Human-Centric Orchestration」をテーマに、暗黙知の資産化、人とAIの協調基盤、組織内に蓄積された知を活かす仕組み、そしてAXとDXの先にある新しい組織設計のあり方について変革の推進者としてのCDOの目線で議論を実施しました。

セッション3:変革のリーダーとしての視座
「我々はどう生きるか?」への回答とリーダーの覚悟

AIが企業活動に深く組み込まれていく中で、企業は何を価値として残し、どのような未来を描くべきかが問われています。
本セッションでは、「AI時代に私たちはどう生きるか?」というサミット全体の問いを、企業変革を主導するリーダーの視点から議論しました。

個の幸福と企業の成長をどのように同期させるのか、人の可能性を拡張するためにAIをどう位置づけるのか、そして変革を推進するリーダーにはどのような意思と覚悟が求められるのかについて意見が交わされました。

またその先にある課題先進国である日本の将来に向けての可能性や将来性を「勝ち筋」というキーワードも、それぞれの所属の企業の立場を離れて「個々人の意見」として活発な意見交換を実施しました。

当日参加CDO・CAIO

本サミットでは、以下のCDO・CAIOの皆様にご登壇・ご参加いただきました。

・磯和 啓雄 氏(株式会社三井住友フィナンシャルグループ)
・池田 和矢氏(株式会社三井住友フィナンシャルグループ)
・奥山 博史 氏(ヤンマーホールディングス株式会社)
・西畑 智博 氏(株式会社JALカード)
・三瓶 雅夫 氏(三井化学株式会社)
・安田 裕司 氏(三菱UFJニコス株式会社)
・上ノ山 信宏 氏(株式会社みずほフィナンシャルグループ)
・汐満 達 氏(住友生命保険相互会社)
・ルゾンカ 典子 氏(コスモエネルギーホールディングス株式会社)
・水野 誠 氏(栗田工業株式会社)
・樋口 正也 氏(ロート製薬株式会社)
・矢吹 哲朗 氏(東洋紡株式会社)
・坂 健司 氏(株式会社トクヤマ)
・浦本 直彦 氏(三菱ケミカル株式会社)
・清水 精太 氏(東京ガス株式会社)
・吉田 茂史 氏(CCIグループ/北國銀行 )
・宇田 真也 氏(株式会社オリエントコーポレーション)
・亀山 満 氏(協和キリン株式会社)
・川辺 秀文 氏(株式会社りそなホールディングス)
・寺田 秋夫 氏(旭化成株式会社)
・古田 貴 氏(三井不動産株式会社)
・舩生 幸宏 氏(帝人株式会社)
・橋本 勝 氏(プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社)
・髙田 智治 氏(野村不動産ホールディングス株式会社)
・岡本 浩 氏(東京電力ホールディングス株式会社)
・ミロ・スムリガ(Miro Smriga)氏(味の素株式会社)
・楠谷 勝 氏(東京海上ホールディングス株式会社)
・三枝 幸夫 氏(クールスプリング株式会社)
・小林 淳二氏(アルプスアルパイン株式会社)
・板橋 祐一氏(マルホ株式会社)
・イゴリ ダンシン(Igor Danshyn)氏(コンパスグループ・ジャパン株式会社)
・石戸 亮 氏(コクヨ株式会社)

 

テクノロジー企業による「AI変革の実装論」セッション

CDO/CAIOが描く経営戦略を、技術実装へつなぐ

Day1・Day2を通じて、CAIO/CDO、政策関係者、有識者による議論では、AI時代に企業が目指すべき変革の方向性が示されました。

一方で、その変革を実際に企業の業務・システム・組織へ実装していくためには、具体的なテクノロジー、データ基盤、業務設計、人材育成、ガバナンスの整備が不可欠であり、その具体的な実現を支えるための、業務、システム、データ、顧客接点、人材育成へと落とし込むための具体的なアプローチについて、先進技術を提供する企業や変革を支援を実施する企業からその考え方や、技術についてのキーノートが実施されました。

主な講演テーマは以下の通りです。

・データ基盤 × AI-Ready化:全社AI活用の前提をどう整えるか
「データ基盤整備は全社AI活用への戦略的投資 〜取引先データをAI-Readyにするアプローチ〜」

・データ × エージェント × 意思決定:AI投資を成果に変えるには何が必要か
「AIを成果に変える『データ×エージェント×意思決定』― ROICで実証するビジネス価値の創出」

・AIエージェント×顧客接点・業務変革:顧客体験と業務生産性をどう高めるか
「脱PoCの鍵は“コンテキスト”AIエージェントで成果を出すためのアーキテクチャと業務設計とは」

・Private AI × セキュリティ・ガバナンス:安全にAIを活用する基盤をどうつくるか
「AIによる内なる変革はPrivate AIが切り開く! 〜ビジネスを加速するAIプラットフォームの進化とは?〜」

・AIエージェント × 顧客接点:途切れない顧客体験をどう実現するか
「AIエージェント時代のインフラ構築:Twilioで実現する『途切れない顧客体験』」

・AI資本経営 × 組織再設計:人とAIの知を価値創造につなげるには
「AI資本経営で実現する、AI時代の組織再設計 〜人とAIの知を、価値創造につなげる経営変革〜」

・業務オーケストレーション×システム連携:AIエージェントを業務にどう組込むか
「AIをビジネス価値に変える - ビジネスオーケストレーションによる価値の創出」

・スキル×人材×現場力:変革を支える”人”の仕組みをどうつくるか
「エージェント時代の生存戦略:社内に「FDE機能」を共創するアプローチ」

・AIエージェント × ナレッジ活用:社内業務DXをどう進化させるか
「AIエージェントで実現する新しい社内ヘルプデスク・ナレッジ活用DX」

・AIエージェント × コネクティビティ:コンテキストデータをどう接続するか
「AIの進化に、コンテキストデータの提供が追いつかない。── 国内エンタープライズ大手素材・先進企業の現場から導く『AIエージェントとコネクティビティ』の最適解」

これらのセッションを通じて、AI時代の企業変革には、経営レベルの構想だけでなく、データ、システム、業務、顧客接点、セキュリティ、人材育成を含めた具体的な実装設計が不可欠であることが示されました。

テクノロジー企業一覧

本サミットでは、以下のテクノロジー企業の皆様にご登壇・ご参加いただきました。

・株式会社セールスフォース・ジャパン
・ニュータニックス・ジャパン合同会社
・クリックテック・ジャパン株式会社
・Sansan株式会社
・Twilio Japan合同会社
・UiPath株式会社
・ストックマーク株式会社
・Workato株式会社
・株式会社スキルアップNeXt
・株式会社PKSHA Technology
・Kong株式会社

CAIO / CDO Summit Tokyo 2026 Summerでは、AI時代における企業変革において、AIを導入するだけではなく、企業の競争優位、組織運営、人材、働き方、意思決定、そして人間の役割そのものを再設計することの重要性が確認されました。

CDO Club Japanは今後も、CDOおよびCAIOをはじめとするデジタルリーダーとともに、AI・データ・デジタル技術を活用した企業変革の実践知を共有し、日本企業がAI時代における新たな競争力を創出するための活動を推進してまいります。

 

 

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